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■生物選択者へ:弐

■生物選択者へ:弐

生物を得意にしたければセンスを鍛えなければならない。しかし、化学においても同様だが、センスは生まれ持ったものではない。自分で磨くものだ。

生物で高得点を取るためのポイントを列挙する。

1.知識を十分量身に付けよ。
これが抜けていれば話にならない。どんな些細なことでも貪欲に吸収する姿勢が必要だ。図説も各社のものを揃えていい。ただし、単に教科書の用語を覚えるだけでは不十分だ。生物には様々な階層性と時間の流れが存在する。それぞれの階層、時間の中で、その知識がどのように出現し、絡み合っているのかを好奇の目で観察せよ。

かつてセンター生物で「プルテウス幼生に繊毛があるかいなか」を訊く出題があった。正答率は非常に低かった。当時、教科書や市販の参考書で、プルテウス幼生の図が無いものはなかったが、その図に繊毛がしっかり明記されているのは一冊しか確認出来なかった。多くの受験生は図説の絵を見ているので「繊毛は確か無かった」と答えていたわけだが、生物センスのある者ならば「繊毛がなければどうやって泳ぐのか」と考え、正解に至ったのだ。

その出題以降、ほぼ全ての参考書で繊毛が明記されたが、ここで諸君は安直に「なるべく多くの参考書や図説に目を通さなければ」と考えてはいけない!自分の頭で考えながら学んでいけば、「手元の参考書に掲載されていないこと」でも正解に辿り着けることをよく思い知るべきだろう。

知識を身に付けろといっても、無機物質の物性や色を覚えるのとはワケが違う。

2.問題をたくさん読め
それではどのようにしたら、十分な知識を理想的な形で吸収できるだろうか。参考書や教科書をいくら読んでいてもダメだ。ポイントは「入試問題」にある。

数学や化学、物理では問題集を「読む」行為が立派な勉強になると考える者はいないだろう。しかし、生物に関していえば、積極的に入試問題を「読む」べきである。僕がかつて某予備校で生物講師として東大生物を指導していたときは、オリジナルの教材に加え、市販の主立った問題集を全て買わせていた。Z会、駿台、河合塾、代ゼミ、旺文社、数研出版…もちろん全部を解く時間など無い。どれか一冊をじっくり解く一方で、残りを何度も読みまくるのである。

そうすると、ひとつの知識に対して様々な角度からスポットライトが照射され、立体的に浮かび上がってくることに容易に気付くだろうし、出題者がどのような視点から問題を作り、どのような誘導をし、どのような解答を期待しているかも分かってくるだろう。実は、生物のセンスとはこの眼力に他ならない。

このような学習は、僕が以前メールした英語や現代文、古典や漢文に対するアドバイスと似ていることに気付くだろう。そう、要は国語力の鍛練である。寝床で寝っ転がっていても成績の上がる、数少ない学習法だ。

3.記述問題を解け
東大前期の場合、多いときでは30から40行近くも書かせる。既に消滅した東大後期では、100字、200字超の記述問題がいくつももあった。大学によってはほとんど記述問題を出さないところもあるが、生物の基本はやはり記述である。難関大を志望する誰もが記述対策をすべきだろう。

その場合、自分の答案を必ず誰かに添削して貰おう。この作業は化学以上に重要だ。見て貰えなければ意味がない。

4.大学レベルに足を突っ込め
数学や化学、物理では大学レベルの知識は不要どころか有害ですらある。絶対に手を出してはならない。

しかし、生物に関しては話は別だ。大学レベルと高校レベルに本質的な違いがない。境界線が曖昧で、バリアフリーとすら言える。東大前期の問題は、そのまま大学教養レベルの期末試験になりうる。

そして、難関大学では大学院レベルの話題が平気で出題される。その場合は長々しい問題文という形でレクチャーが与えられ、諸君は制限時間内でそれを熟読し、新しく得た知識を武器に問題に対処することになる。東大生物の知識は教科書程度で十分と言われるのはそういう理由だ。その代わり十分な速度と精度で本文を読み込む必要があるわけで、ここで国語力の差が明確になってくる。本文中にヒントどころか解答が書いてあるのにそれに気付かない人が大変多いのだ。これについては上に記したように、入試問題を多読してセンスを磨いておく他ない。

しかし、大学レベルの内容を少しでも知っていれば俄然有利になる。諸君に余裕があれば、大学教養レベルの教科書を斜め読みするといい。少なくとも理三を始め、最高レベルの合格者なら普通にやっていることだ。大学教科書といっても決して詳しすぎないものがいい。

もちろん、敢えて教科書を買えとは言わない。入試問題をたくさん読めばそれで十分でもある。それに、入試問題を多読してもいない未熟者は決して手を出すな。

5.生物に感嘆せよ
これが一番重要だ。
諸君が学んでいるのは生命という非常に不可思議で巧妙で素晴らしい存在なのだ。全ての生物学者はそこに魅入られている。諸君も同じ姿勢で謙虚に、かつ貪欲に学んでいこう。それが出来れば「生物が苦手で…」などとたわけたことを言えるはずがない。
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■生物選択者へ:壱

■生物選択者へ

生物選択者は生物が得意でなければ話にならない。

医学部受験では物理選択の方が明らかに有利である。勉強量そのものがずっと少なくて済む。やるべきことがより明白で、日々の鍛練を積みやすい。

そして何より、物理は努力によって満点に近い得点が十分に狙える科目だが、東大や医科歯科では驚異的に生物が得意であっても常に9割を超えるなど大変難しいのである。

物理の玄関である力学でつまずいただけで「自分は物理は向いていない」と早々に判断したから生物を選んだ、という人間は愚かである。自分は生物で高得点を取れる!という人間でなければ結局報われない。

生物を選択する最大のメリットは「偏差値の安定」だ。東大物理で満点を取りうる人間も、少し転ぶと大怪我をする。半分しか取れないなんてことも十分にあり得る。しかし、生物はまず転ばない。いつでも安定した成績が期待できる。

逆に言えば、バクチ的な要素は全くない。苦手な人間が本番で驚異的な点数を獲ることなどあり得ない。いつまで経っても低値安定なのだ。

また、意外かも知れないが、物理以上に生物はセンスがものを言う。世の中にはほとんど生物を勉強しなくてもそれなりか、相当の好成績を叩き出す人間がいる。彼らに共通するのは、もともと生き物が好きで受験生物に通じる素養があること、and/or国語力が高いことである。(難関生物は国語力が重要な鍵を握るというのは多くの場合見逃されている)

従って、受験生において生物を選択する人間は次の二種類に大別できる。

1.物理から逃げた弱虫
2.生物が好きでたまらないハイセンスの持ち主


後者の理由で生物を選択していないのならば、相当厳しい現実を直視せよ。

医学部受験では1点でも多く点を取りたいのだから、普通は物理を選択する。それでも生物を選択している連中がいるということは、そこに勝算があってのことだ。「生物が苦手で…」と言っていては話にならない世界なのだ。

それでは、生物のセンスとは何だろうか。

かつて東大理三の面接試験で、口頭で試問されたものを紹介する。
1.ニワトリにある餌を与えたら死んだ。思い浮かぶ理由を全て挙げよ。
2.いま挙げた理由の中から正解を決定するための実験を考えよ。
これを二分間で答えさせるものだ。

こんなものは賢い中学生でもスラスラ答えるだろうが、分厚い参考書をどんなに丸暗記していてもセンスがなければ太刀打ちできない、かも知れない。

続く。

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小橋哲之

Author:小橋哲之
小橋塾塾長

外科医

三児の父

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