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■来年度、受験する方へ(2)

■来年度、受験する方へ(2)

承前

まずは基本となる『型』の習得が大事だ。絶対に、何よりも、それこそが大事なのだ。

小橋のいう『型』とは、頭で理解していることを、特段の意識を要さずに、自然と手が動くような、ほとんど身体的反射運動のような段階まで習熟した状態を指す。

独創性だとか思考力だとか柔軟な応用力だとか「ひらめき」だとか、全て「型」を習得したあとで意味を成す言葉である。その点で、真の受験勉強は音楽などの芸術や、武道・スポーツの習得などと何ら相違ない。ここをしっかり踏まえている受験生が驚くほど少ない。ただ漫然と手を動かしているだけではダメなのだ。

化学でいえば、気体の挙動に対してボイルの法則、シャルルの法則、ボイルシャルルの法則、状態方程式、分圧の法則、蒸気圧といった化学法則・概念の中から、いちいちその定義を思い出すまでもなく、問題文を一読しただけで最も有用なものを選択して最も端的な方程式を立式し、それを速やかに解くといった、東大合格者がそれまでに何百回繰り返してきたか分からないほどの「単調作業」を手に覚えさせることだ。

「そんなことの重要性は今さら言われるまでもない」と言うかも知れないが、今までの生徒達を見ると、その大事なことがてんで分かっていないじゃないかと悲しくなることの方が圧倒的に多かった。諸君が習得すべき『型』は「最も応用の利く形式」であるに越したことはないが、「最も応用の利く形式」とは、多くの志の高い東大受験生が考えるほど高尚なものでもないし、難解なものでもない。そこに一刻も早く気付いて欲しい。

難関化学の鍛練にはもちろん総合問題集が有用であるが、主眼が『型』の習得であるのならば、敢えて難しい問題集を選ぶ必要など無いし、むしろ有害ですらある。

東大受験生の多くはミーハーであり、また東大の出題に難問が多いこともあり、どうしても難しめの問題集に手を出しやすいのだが、ろくに『型』を獲得していない者が例えば『新理系の化学100選』(駿台)だの『化学の新演習』(三省堂)だのに飛び付くと全くろくなことがない。はっきり言おう、東大理三対策ですら総合問題集としては『重要問題集』(数研出版)だけで十分なお釣りが来るものなのだ。それどころか『セミナー化学』などの、一部受験生が軽視しがちな教科書傍用問題集の方がよっぽど役に立つんじゃないのかと言いたくなる東大受験生の方が多いのが真実だ。

実際、小橋の生徒で理三や京医、阪医に進学した者のなかでも市販教材は『重要問題集』のみという者も決して稀ではなかった。中高一貫校で早い時期から化学を学習し、かつこれから浪人する(つまり既に受験生として標準的な学力がある)のであれば、かつ既にそれなりの『型』を習得したと信じるならば、『100選』『二見ハイクラス』『新演習』に手を出すのを止めはしない。止めはしないが、諸君に足りないのが「解答速度」であり「処理精度」であると自覚しているのなら、計算ドリルのつもりでより平易な問題集を複数回やり込んだ方がいいと僕は信じる。

長くなったので続きは次回。
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テーマ : 大学受験
ジャンル : 学校・教育

■来年度、受験する方へ(1)

■来年度、受験する方へ(1)

小橋がオススメする教材及び活用法は別途紹介するとして、まず難関化学を征服する為の大原則を書いておきたい。

今回の東大化学をみて何を感じただろうか。東大化学(60点満点、75分前後)に立ち向かうとき、容易に気付くのは以下の事項だろう。

(1)市販汎用問題集では滅多に見ない主題、出題形式が多い
(2)高校化学の範疇を逸脱する主題、出題が多い
(3)制限時間の割に問題数が多い

多くの受験生はどうしても(1)や(2)に目が行きがちである。「難しい問題集をやり込めば化学の理解が深まり豊富な知識が身に付くだろうし、自然と(3)への対処、つまり解答速度も上がるだろう」と考える。その結果自分のレベルに適合しない難問集や、大学レベルに踏み込んだ(気にさせてくれる)参考書を喜んで買ってしまう。そして結果が伴わずに落胆することになる。

しかし、東大受験生のほとんどにとって、満足な点数を取れない最大の原因は(3)なのである。来年度の受験生に声を大にして伝えたいのは、いくら難問・珍問・新傾向の問題を対策したところで解くスピードは上がらないんだぞということだ。

東大化学の時間制限に比して「問題数が多い」というのは誰が見ても明白で、小橋自身も東大の全科目で化学が一番「時間が足りないという焦り」を抱かせるものであった。

例えば今年の東大第1問はほとんどの受験生にとって目新しく感じただろうし、新しく受験生となる諸君の目には「いったいどうすればこんな問題が解けるようになるんだろう」と途方に暮れた者もいるかも知れない。

でも大丈夫。基礎(初歩ではないぞ!)をみっちり誤魔化しなく理解しながら机に向かっていれば(その方法は別途紹介する)、ちゃんと解き方が見えてくる。無理に背伸びする必要なんかない。

そんな問題に怯えるより先にやるべきことがある。それは典型的な良問を解き込んで、このパターンにはこう、あのパターンにはああ、というような「型」を身体に染み込ませることだ。

東大化学で満点近い得点を連発するなんて、特殊技能か何かのように感じるかも知れない。もちろんある意味では(他の受験生はとてもそんな点数を得られないという意味では)特殊に違いないが、持って生まれた特別の才能が必要かという意味ではである。

歴代の生徒達で「ほぼ満点」を取っている連中に共通するのは、東大化学にある「思考力を試す問題」と「どんな受験生でも解くべき標準以下の問題」とで、後者を圧倒的に素速く片付けてしまい、時間的余裕を確保した上での思考力を発揮している点である。

東大がいくら「思考力を試す」なんて言っても過大評価、つまり怖じ気づいてはならない。入試で試される思考力というのはあくまでも「時間制限」という枠組みの中での差を計るものであり、真の独創性を計測するものたり得ることはない。つまり、時間さえあれば(かつ基礎が十分に固まっていれば)難しくも何ともないものが多いのが現実である。

長くなったので続きは次回のエントリにて。

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プロフィール

小橋哲之

Author:小橋哲之
小橋塾塾長

外科医

三児の父

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