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■塾の進化

■塾の進化

まずは朝日新聞の記事をご覧下さい。

予備校業界には記事にあるような一年契約のフリーター講師がたくさんおられます。彼らを雇う予備校も商売でやってますから、生徒を集められない講師をクビにするのは致し方ない、というのが最高裁の判断です。常識的にもしょうがない気はします。

しかし、問題が2つあります。

1つは、そのような契約変更が本当に公平に行われているかどうか。予備校によって多少は事情が異なると思いますが、生徒数がこれくらいなら辞めてくれ、生徒からの評価があの程度なら時給・コマ数はそんなもん、そういう判断の指標をちゃんと提示してくれた予備校は今まで見たことがありません。もっと言えば、上司或いは雇い主の個人的な感情が根底にあって、生徒数の多寡は講師を捨てるときの良い言い訳としか思えない例を多々目撃してきました。また、後述の生徒アンケートの結果だってどこでどのように偽装されても講師には分からないのが普通です。それに、生徒が講師を選ぶときに一番参考にするのは教務スタッフの助言ですから、特定講師の生徒数を減らすのも経営側の意のままです。辞めさせたい講師を辞めさせるのは恐らく非常に簡単です。この話題はまた別途取り上げようと思いますが、予備校講師の社会的地位・安定性は非常に危なっかしいものと言えます。もっとも、そんなことは百も承知で勇んでこの業界に入ってきた方ばかりでしょうが。

2つめは、生徒アンケートの信憑性の問題を挙げます。今まで出講してきた塾・予備校の多くで生徒アンケートがありました。講師を生徒が匿名(または記名)で評価するものです。黒板の字は読みやすいか、声は聞こえやすいかといったものから、レベルは自分に合っているか、この講師で成績が伸びたと思うか、総合的に言ってどれくらい満足しているかなどを、5段階などの点数で答えさせるものです。こういうものは講師が自分の授業をより良くするための反省材料としても有用ですし、何より経営側が生徒の満足度を知る上でも必須のシステムだと思います。問題は、その運用法です。

去年まで勤めていた某予備校では、一部(多く?)の講師は授業中に「今日はアンケートがある」ことをアピールし、「最高の評価をくれないなら最低の評価をしてくれ、中途半端な評価は止めてくれ」と発言するなど、明らかに生徒に対する恣意的な働きかけを行っている例が多いことを、生徒達から直接耳にしました。この予備校では講師の大半が一年契約で、来年の時給とコマ数は生徒数(集客力)とアンケート結果で決まるわけですから、恥も外聞もない振る舞いに出る講師が決して少なくないわけです。その陰で、自分は浅ましい真似はしたくないという講師が損をしているのを僕も見てきましたし、僕もその一人だったでしょう。

このような塾の行き着く先は何でしょう?

集客力ありきの塾では"生徒の評判を気にする講師"が優遇されます。その講師に本物の指導力があるならば問題ない、というか最高なのですが、実際は指導の内容よりもとにかく評判、アンケートばかり気にする人の方が圧倒的に多いわけです。その結果、例えば上記予備校のある講師は、僕に「生徒の成績が自分の授業で上がったか?正直考えたことがない(笑)」と言い切ってしまえるわけです。

さらに、こういう塾には"生徒の評判ばかり気にする講師を気に入る生徒"が集まります。こういう生徒はとにかく甘い言葉が大好き。そもそも世の中には生徒のためを思って厳しくあたる講師の良さを認識できる生徒の十倍くらい、そうでない生徒の方が多いわけです。余計なことですが、こういう後者の生徒は講師のルックスだとかにもこだわりを持ちます。簡単に言えば顔も言葉も甘い講師の元に甘えん坊の生徒が大挙するわけです。予備校経営側からしてみればウハウハですね。

昔は硬派で正統的な学習指導をしていた塾・予備校が、素晴らしい合格実績を叩き出して一躍名を挙げ、欲を掻いて経営拡大に乗り出すと陥る失敗がコレです。これをお読みの皆さんにもいくつか思い当たる予備校名がおありでしょうね。

でも、まぁ、生徒側の要求に沿って"進化"しているわけですから、経営的には成功なわけですか。気の毒なのはそういう浅はかな講師や経営陣の魂胆を見透かせる、真に自分を鍛えたい、鍛えねばならないと痛感している生徒の行き場が、どんどん減ってしまっているということでしょうか。
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No title

生徒の力を本当に引き出す事のできる優秀な先生方が、商業目的の野蛮な塾によって排除されていくのには憤りを感じますよね。。。

Re: No title

tkmsさま
コメント有り難うございます。

本当にその通りです。そういう先生の価値を分かる受験生だけにでも真実を伝えたいと思って記事を書きました。今後ともよろしくお願いいたします。
プロフィール

小橋哲之

Author:小橋哲之
小橋塾塾長

外科医

三児の父

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